「ストリーミングサーバーを簡単に説明してください」
と言われたら、あなたは説明ができますか?
ストリーミングサーバーが、WEBサーバーなどの他サーバーとどこが違うかわからない場合、今回の記事は必見です!
今回はストリーミングサーバーの基礎知識から、構築方法、ストリーミングサーバー配信が可能なシステムまで詳しく解説しています。
【ストリーミングサーバーとは?】配信で利用されるシステム
まずは基礎中の基礎知識を詳しく知っていきましょう。
ストリーミングサーバーとは、配信で利用される動画配信に欠かせないサーバーのことで、動画ファイルをダウンロードしながら同時に再生するシステムを全体的に指します。
人によってはWi-Fiなどを活用して、動画を再生することがありますが、契約しているインターネットのギガ数が少ない人は外で動画を見れないということはありませんか?
動画の再生には、大量の細分化されたファイルを受信していきます。このファイル受信の際に、大量にパケットデータ通信料(ギガ数)を消費してしまうのです。
つまり、誰もが気軽に見れるようにするための配慮も配信側には必要とも言えるでしょう。
【似ているようで違う意味】ストリーミングサーバーとストリーミング配信
両方ともに同じストリーミングという名前なので、誰もが最初は同じ意味を持つのでは?と考えますが、大きく違うのが「サーバー」と「配信」であることです。
ストリーミングサーバーは、動画配信に必要なサーバーであり、ストリーミング配信はストリーミングを使って配信される一種の動画配信の方法です。
ストリーミング配信においては、ストリーミングサーバーから動画ファイルをパケットで細分化しながらダウンロードと送信(アップロード)を繰り返すため、パケット受信料が高額になってしまうことも少なくありません。
また視聴後は端末のメモリから削除されるため、動画がデータとして残らないことも特徴のひとつといえます。
【配信の種類】ストリーミング配信のほかの種類
ストリーミングサーバーを使った配信はストリーミング配信で、リアルタイムで動画を配信できる方法だからこそ、リアルタイムのライブ配信などで活用されています。
ライブ配信はリアルタイムで配信されるもの
ライブ配信とは、リアルタイムで配信されるもので通常、YouTubeや各種配信サイトなどで配信されているものが多く、オフラインで再生することができません。
リアルタイムで配信となるため、ライブ配信を活用したセミナーなどが多く、特に
- Zoom
- Google meet
- Teams
- Webex
などあらゆるオンライン会議ツールを使用しています。
誰もが参加できるように、YouTube配信を活用したり、TwitterなどSNSにシェアできるタイプの配信サイトで配信をすることも少なくありません。
ライブ配信の大きな特徴はリアルタイムで配信でき、配信システムによっては録画も運営側でできることでしょう。
プログレッシブ配信は端末に動画が残る配信
プログレッシブ配信とは、動画や音声などのデータをダウンロードしながら同時に配信を再生できる技術で、疑似ストリーミングと言われることも多いです。
ネット動画の配信方式のひとつとして有名な配信方法で、サーバーからパソコンやスマホに動画のデータをコピーしながら再生を行っているので、ネットワーク回線の都合上、あまり通信が安定しないときの配信は止まってしまいます。
ライブ配信のようにリアルタイムで配信されているわけではないので、途切れたり、内容が飛んでしまうことはありません。ただ止まり、回線が復帰すると自動的にダウンロードが再開し、再生も再開します。
また、プログレッシブ配信は動画と音声をダウンロードしながら再生させていくので、端末にデータが残り次再生するときもスムーズに再生できるという特徴があります。
オンデマンド配信は録画だからこそ早送り巻き戻しも可能な配信
オンデマンド配信とは、すでに完成している動画をサーバーにアップロードし、それを視聴者がいつでも見られるようにするタイプの配信方法、動画形式です。
オンデマンド配信の特徴といえば、撮り直しができることや、内容のカット、字幕をつけるなどの動画編集ができること。他の動画配信形式ではできないことなので、オリジナルの動画コンテンツを作りたい方からすると、魅力的な特徴でもあるでしょう。
また、オンデマンド配信では一定期間配信をするサービスができる配信方法でもあるので、配信期間中は録画されているテレビ番組を見る感覚で何度でも繰り返して視聴ができるタイプでもあります。
このため、オンライン配信を実施し、後日、参加できなかった人向けにオンデマンド配信(アーカイブ配信)を行うことが多くあります。
【自作できる?】ストリーミング配信システムを構築するには
では、これらのストリーミング配信は自作できるのでしょうか?
できれば予算も低コストで必要な分だけ配信を始めたいもの。自作でできる範囲を知っておきたいですよね。
ここからは動画配信を構築する方法と、それぞれのOSで構築できる方法を紹介しましょう。
ストリーミング配信システムを構築する方法
ストリーミング配信システムを自作で構築するには、スクラッチ開発やパッケージのカスタマイズなど、主に3種類の方法がありますが、完全に自社独自のシステムで構築をしたいとなると、スクラッチ開発でカスタマイズしていく必要があります。
完全独自開発ができる方法:スクラッチ開発
スクラッチで開発をするとなると、費用はおよそ数百万円かかってしまうことがほとんどですが、以前も解説したように3種類ある動画配信システムの構築方法のうち最もか自由度を高め(オーダーメイド)のシステム構築ができるタイプです。
別途インフラ整備維持のための管理費用がかかってしまうので、完全独自システムを作りたいときにはおすすめの方法でしょう。
WEBで構築する方法:クラウド型動画配信システム
今すぐ配信したい!もう配信できる内容はあるのに、まだ配信システムがない!というときにはこちらの構築方法がおすすめです。
すぐにシステムを利用できるだけでなく、保守費、維持費用などは全てシステム運営側にかかるので、こちらはなにも費用を出すことなくコストをかけずに動画運用ができるようになります。
例えば、YouTubeで配信を始めたとします。YouTube側が運営している動画配信サイトなので、こちらは動画をUPするだけとなり維持費用などの固定費はかかりませんが、独自システムを活用したいときはカスタマイズ性が低いため、注意が必要でしょう。
ソフトで構築する方法:パッケージカスタマイズ
最後に完全カスタマイズとはいわずとも、基本機能だけ実装でき、他はカスタマイズしたいというときにソフトでのパッケージカスタマイズはおすすめです。
インフラ維持費などは独自開発と同じようにかかってきてはしまうものの、基本機能は実装しているので、長期間をかけた開発をせずとも、構築ができ、動画配信運用を始めることができるのです。
カスタマイズの自由度は各パッケージによって異なるものの、基本機能実装済みである程度のカスタマイズを求めている場合は、パッケージカスタマイズという選択も最適といえるのではないでしょうか。
【ストリーミングサーバの相場】必要な費用と算出方法
先述にもあるように構築方法は、プロジェクトの規模や予算によって構築できるシステムは大きく変わってくるため、どんな機能を実装させたいのかを明確にしておく必要があります。
そこで必要となるのが大まかな相場。構築方法と変わらず、サーバの相場も各人各様なので、まずは必要な機能、カスタマイズなど、リストアップからしていくと良いでしょう。
ここからは、ストリーミングサーバの相場について詳しくお話します。
相場は各人各様!平均的に数十万から数百万円
大まかに分けて、ストリーミングサーバにかかる費用は次の通りです。
費用 | 平均的な相場 |
サーバ本体の費用 | 10万-30万円 |
周辺機器費用 | ルーター 数万-5万円 UPS 3万円- パソコン・モバイル端末 5万-20万円程度 |
サーバ構築にかかる費用 | 3-30万円 |
ネットワーク設計・構築費用 | 10-40万円 |
保守運用にかかる費用 | サーバー構築費用の10-15%程度 |
平均費用にもかなりの差があることがわかりますよね。
とはいえ、セキュリティも万全なサーバを構築したいという場合にもできればハイスペックなものを使用していきたいものです。
だからこそどれくらいの規模感で活用していきたいのかを明確にリストアップしたものが必要になります。
無料から低料金も実はあるけど気を付けたい注意事項
ストリーミングサーバの相場として、無料だからといって安心できないということは大きな注意点です。
というのも、システム的に現在は無料で開放し、活用できるとはいっても次の危険性が潜んでいます。
- いつ運営が停止されるかわからない状態
- セキュリティ上の問題
- 独自配信ができない状態
運営が停止された場合はサーバに保存されている動画は消滅する!!
配信したい内容にはよるものの、企業や運営者がシステムの停止をしてしまった場合、これまでサーバにアップロードした動画やライブ配信は全て閲覧できなくなるのです。
現状は問題なくても今後のことも踏まえて、無料開放や、会員登録をするだけでUPできるサーバシステムの利用には充分に注意しましょう。
セキュリティ的に納得できない可能性も!
次にセキュリティの問題ですが、格安と謳っている場合には求めるセキュリティとは全く異なってしまう可能性があります。
例えば動画が配信された後に視聴者によって無断転載をされる可能性も考えられますね。現状、ネットフリックスやHuluなどの動画配信サイトでは携帯からスクリーンショットを撮ることができません。著作権法に基づき、セキュリティの関係上できない仕様になっているのです。
このようにセキュリティで納得できない、もしくはトラブル回避ができない可能性も少なくありません。
まずはセキュリティとして、どれくらいのレベルが欲しいのか明確に検討しておくことをおすすめします。
独自性の配信ができない対処法は?
最後に、独自配信ができないことは無料、低価格でレンタルされているサーバでは難しく、サーバによって詳しい制約は変わってくるものの、何かしらの制約が付いているので注意が必要です。
この場合に対しての対処方法は、スクラッチ開発、もしくはパッケージ開発により、カスタマイズをしていき、独自性を構築していくと良いでしょう。
まとめ
今回はストリーミング配信やサーバについて詳しく解説しました。
ストリーミング配信といってもあらゆるタイプの配信があり、開きたいセミナーやライブによって方法も運用も異なってくるでしょう。
まずはどういった配信を行いたいのか明確にし、必要なものを明確にしたうえで、戦略を推進していきませんか?
今すぐ行いたいけど、知見が足りずになかなか前に進めないという方は、ぜひお問い合わせください。